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チューリング不完全

What are you afraid of? All you have to do is try.

記録

やはりツイッテレーというものはstreamであり、日々の記録を書いてあとから読み返すというのには向かないなあというわけで、日記を書こうという気持ちに、たまにはなるわけです。
それは他の人のブログでよい日記を見た時に衝動的に沸き起こるもので、まあすぐしぼむんですけども。
はてなだって「はてなダイアリー」という名前で、「diary」と付いているんだから本来日記を書くべきサービスでありどんどん書いていこう、という気持ちになっていたらこれは「はてなブログ」だったのでAhが発生しましたが、まあそれはどうでもいいです。

逆柱いみり「赤タイツ男」読んだ

赤タイツ男

赤タイツ男

これは秋葉原まんだらけにふらっといったら、入店1分で発見し、「出会いだ」と思って購入しました。1800円でした。
解説の冒頭から「困った。内容がない。」と書かれてしまうぐらいストーリーとしては謎で、他の人にどう薦めていいかこれほど困る作品もないでしょう。私は常日頃少年ジャンプの漫画しか知らないような人間が「趣味:漫画」と発言することに対して「けっ」みたいな気持ちを持っていますが、逆柱いみりをこういう人たちに見せたら理解を得られないだろうな、というのはさすがにわかります。逆に理解を得られそうなのはアフタヌーンからコミックビームの半分ぐらいかなとか勝手に思っています。
それで、中を困るなりにざっくり言うと、つげ義春にもっとサイケデリック成分を注入した感じです。つげ義春の作品は日本の情景が強く想起される(と思っている)のですが、逆柱いみりになるとどの国かわからない情景、何人かわからない人間、そして何より謎クリーチャーです。この辺、「異国情緒」という一単語で終わらせたくなかったのでなんとなく長めに書いてみましたが、まあそんなところです。謎世界の情景の大ゴマ見開きに何事かを感じられる人であれば、購入して完全に無駄な買い物だったということにはならないはずです。

筒井康隆「玄笑地帯」読んだ

玄笑地帯 (新潮文庫)

玄笑地帯 (新潮文庫)

これはもう絶版なやつで、ブックオフをふらっと歩いていたらありました。ブックオフの100円コーナーには筒井康隆のもうあまり売ってない本が山と置かれていたりするので、嬉々として買うことになる私です。
筒井康隆全集(全24巻)の月報をまとめたやつで、日記とかエッセイとかそういうのに近いです。「突発性大量創作症候群」が白眉で、著者が「虚航船団」を書き終えた直後に短編のアイディアが止まらず、ほとんど寝ずに1週間で240枚ぐらい書いてしまうという話です。それ自体が爽快なのでまず楽しく、それ以上に「虚航船団」が1日に約1枚~1枚半しか書けなかったというのに驚きました。まあ2章あたりはそれもわかりますが、3章の半音ずつ上がりながら物語が加速度的にぶっ壊れていく部分、あのあたりは一気呵成に読んでしまうため錯覚してしまうのですが、やはり苦しんで書かれていた。
小説を読む時、どうにも錯覚してしまうのですが、小説というのはストリーム的に脳内から文章が溢れでて、それがそのまま出版されるわけでもないのですよね。でも展開が自然で面白い小説を読んでいると、「すごいなあ、この人天才だなあ、この表現すげぇなあ」とか思っているわけですが、それはやはり苦しみや葛藤の末に生まれ出たものなのです。いや、そうじゃない場合もあるかもしれませんが。そういう感覚は筒井康隆をはじめ、太宰治安部公房を読んだ時によく感じた感覚です。
あれっ、これは玄笑地帯の感想なんでしょうか。しかし最近感想文を書くということで気づいた点は、ストーリーを解説するとか読者を意識しない方が、文章がすらすらでてくるということです。だって別に読者に対して奉仕する気持ちなんかないし、筒井康隆が別のエッセイで「書きたいものを書け」と言っているように、小説を読んだ上で自分の中に想起されたものをそのまま書いて、脱線し続けて行く方が案外おもしろいものになるようです。あ、これもすごく適当に書き進めているのでてにをはがおかしいかもしれませんね。
というわけで、脱線お許し下さい。

筒井康隆「パプリカ」読んだ

パプリカ (新潮文庫)

パプリカ (新潮文庫)

また筒井康隆かよとか言わないように。ハマってるんだからそうなりますよ。
これは映画化もされたやつなので、筒井作品の中でも一般によく知られている部類かと思います。内容は夢の話で、夢分析とかやってる研究所の天才のデブが、他人同士の夢を繋げられる装置を作ってしまって、あとは筒井作品のどんちゃん騒ぎが起きます。ただ、短編にあるようなギャグを広げていくというよりはもっと硬質な語り口で、そういう意味では真面目な部類であるように感じました。
印象は実はあんまり残っていなくて、というのも小説を読み終わった直後に今敏の映画「パプリカ」を見て、その印象に完全に上書きされてしまったからです。さようなら能勢さん。(映画に出てこないので)

パプリカ観た

パプリカ [DVD]

パプリカ [DVD]

というわけで映画のパプリカです。
これはとにかく所長が狂うとこが大好きで、その部分だけはYouTubeだけで見て知っていましたが、まさか開始5分ぐらいでいきなり狂うとは思いませんでした。狂う時のセリフがすごくいいですね。

うん。必ずしも泥棒が悪いとはお地蔵様も言わなかった。
パプリカのビキニより、DCミニの回収に漕ぎ出すことが幸せの秩序です。五人官女だってです!
カエルたちの笛や太鼓に合わせて回収中の不燃ゴミが吹き出してくる様は圧巻で、まるでコンピューター・グラフィックスなんだ、それが!
総天然色の青春グラフィティや一億総プチブルを私が許さないことくらいオセアニアじゃあ常識なんだよ!

今こそ、青空に向かって凱旋だ!
絢爛たる紙吹雪は鳥居をくぐり、周波数を同じくするポストと冷蔵庫は先鋒をつかさどれ!
賞味期限を気にする無頼の輩は花電車の進む道にさながらシミとなってはばかることはない!
思い知るがいい!三角定規たちの肝臓を!
さぁ!この祭典こそ内なる小学3年生が決めた遙かなる望遠カメラ!

進め!集まれ!
私こそが!
お代官様!げははははははは

すぐだ!
すぐにもだ!                     
わたしを迎エいれるノだ!!

この文章は筒井康隆ではなく今敏オリジナル。

あと映像として印象に残っているのは、パプリカの皮が剥がれて千葉敦子が出てくるというシーンです。まあここだけじゃなくて、単純に筒井康隆の狂気のお祭り騒ぎ、夢と現実の揺蕩う感じがあそこまで映像になるのがすごいなあと思いますね。しかしそこはやはり今敏で、何から何まで変わっていて、まあすごいけど今敏はやっぱり生理的にはそんなに好みじゃないな、とも思いました。